「愛人ラマン」(10)ー広大なメコン川とミーチュー橋:映画ロケ地パーフェクトガイド
2016年8月 ベトナム旅行
映画の冒頭に出る広大なメコン川はどこなのでしょうか。
このシーンのロケ地がどこであるか気がついたのはミーチュー(Mỹ Thuận)橋の帰りに見たメコン川の風景からでした。
2000年にメコン川支流のティエン川にかけられたミーチュー(Mỹ Thuận)橋。
この橋の完成で運命のフェリー乗場とフェリーの運航は廃止されました。
実は、このミーチュー橋は、絶好のメコン川鑑賞スポットなのです。
さすがにクルマを止めることはできませんが、橋の真ん中には、バイクを止めて川を眺めている人が結構いました。
サデックに向かうときの橋とメコン川(ティエン川)のサデック側の眺めです。
この時は十分広大な眺めだなと思いましたが、映画の感じとは違いました。
ホーチミン市への帰りのミーチュー橋です。
ミーチュー橋の下流でティエン川は分岐するのですが、分岐部分は広大な広さになります。
こころ構えができておらず、あわてて写真を撮るのですが、うまくいきません。
こちらはヴィンロン方面です。
これもうまく撮れません・バイクのお姉さんがかぶります。
実際の目で見たときのイメージは下の映画の1コマのようでした。
撮影はこの分岐あたりで行われたと橋の上から見渡して思いました。
この撮影場所はヴィンロンの近くでしょう。
ここで、前のエントリーで書きました、
「映画では、最初に二人がフェリーであったとき、
なぜ中国人青年の実家がヴィンロンのものだと少女に話す設定にしたのでしょうか?」
少女に話しかける中国人青年は、この時かなり緊張していました。
字幕では違う訳になっていますが、少女に「あなたは?」と聞かれて中国人青年は慌てて「ヴィンロンの者です」と答えます。
少女は「ヴィンロンの?」と問い返しています。
中国人青年は、少女とフェリーで会うために同じフェリーに乗るタイミングで、後からフェリーに乗ってきます。
同じサデックといいづらく、ついヴィンロンのものと言ってしまった設定にして、中国人青年の緊張した様子を演出したのかもしれません。
もう一つはマルグリット・ヂュラスの小説自身が時間や場所をねじらせて独特の時間場所空間を書き流していることにあるのかもしれません。
小説で書では、マルグリット・ヂュラスにとってヴィンロンは特別な場所でもあるようです。
いずれにしても、ヴィンロンはメコン川支流ティエン川の分岐点の広大な川の広がりにある町です。
その圧倒的な存在感を今は純粋に楽しんでいただければと思います。
クーグールマップでのミーチュー橋(Cầu Mỹ Thuận)はこちらです。
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